オーダーシャツの襟カフスの芯地

オーダーシャツにおける襟とカフスの芯地の選び方|仮接着・フラシ芯・永久接着の違いとは?

ドレスシャツの品質や着心地、シルエットに大きく影響する要素の一つに「芯地」があります。芯地はシャツの襟やカフスに使われ、形状を保持したり、適度な硬さを与える役割を果たしています。しかし、芯地にもいくつかの種類があり、それぞれに異なる特徴やメリット、デメリットがあります。ここでは、ドレスシャツに使われる芯地の中でも代表的な「仮接着のフラシ芯」「フラシ芯」「永久接着〈トップヒューズ〉」の3つについて詳しく解説します。

芯地の重要性とは?

ドレスシャツを選ぶ際、襟やカフスのデザインや素材に目を向けがちですが、実際にはその「芯地」がシャツ全体のシルエットや着心地を大きく左右しています。芯地は、襟とカフスに内蔵され、シャツの形を保ちつつ、耐久性と快適性を高めます。適切な芯地を選ぶことで、シャツの持ちも良くなり、洗濯後も美しい形状を保つことができます。

オーダーシャツの芯地について

芯地の種類について

ドレスシャツの芯地には大きく分けて3種類あります。それぞれの特徴を理解することで、自分に合ったシャツを選ぶ際の判断材料となります。

1. 仮接着のフラシ芯

仮接着のフラシ芯は、襟やカフスに軽く水溶性の接着剤で接着される芯地で、仮に貼り付けられているため、あまり強く結合していません。このため、洗濯前の状態では、硬く感じることがありますが、洗濯後は柔らかく自然な仕上がりが期待できるのが特徴です。

メリット

  • 柔らかい仕上がりで、ナチュラルな風合いが出る
  • 素材の風合いを活かせる快適な着心地
  • ドレスシャツに高級感を与えることができる

デメリット

  • アイロンがけや手入れに注意が必要
  • シワが寄りやすく、形状保持が弱い
  • 仮接着のため、襟と芯地が浮いて見えることがある。(洗濯で解消はされる)
  • 洗濯をしていない状態だと芯地が硬く感じられ、洗濯後の柔らかさと差異がある

どのような人におすすめ?

仮接着のフラシ芯は、柔らかい着心地を重視する方や、シャツに高級感や自然な風合いを求める方におすすめです。特に、クラシカルなスタイルを好む方にはピッタリです。

2. フラシ芯(非接着芯)

フラシ芯は、接着されていない芯地で、仮接着の場合、洗濯をしていない状態だと芯地が硬く感じられ、洗濯後の差異に違和感が出ますが、フラシはもともとの風合いのままのシャツのイメージとなります。芯地が布地と一体化していないため、最もナチュラルで柔らかな着心地が得られます。

メリット

  • 芯地が自由に動き、非常に柔らかい着心地を実現
  • 自然な襟とカフスの形状を保つことができる
  • クラシックなテーラードシャツによく合う

デメリット

  • 芯地がズレやすいため、形状が崩れやすい
  • 洗濯後の手入れが大変(シワが寄りやすい)
  • 長持ちしにくいことがある

どのような人におすすめ?

フラシ芯は、非常に柔らかな仕上がりと自然なシルエットを求める方に向いています。特に、フォーマルなシーンやこだわりの強いシャツを求める方に最適です。ただし、手入れには少し手間がかかるため、普段使いよりも特別な場面での使用に適しています。

3. 永久接着(トップヒューズ)

永久接着の芯地、通称「トップヒューズ」は、芯地が布地に強力に接着されているものです。このため、芯地が動かず、シャツ全体にしっかりとした形状を与えます。現代的なシャツによく使われており、ビジネスシーンでもよく見かけるタイプです。

メリット

  • 形状保持力が高く、シャープなシルエットが得られる
  • アイロンがけが簡単で、手入れがしやすい
  • 洗濯しても芯地がズレる心配がない

デメリット

  • 硬い仕上がりになることがあり、着心地がやや窮屈に感じられることも
  • 長期間の使用で芯地が剥がれることがある
  • 自然な風合いが出にくい
  • クリーニング店に出すと芯地の収縮差で襟カフスにシワが出る場合がある。

どのような人におすすめ?

永久接着の芯地は、形状保持力を重視する方や、ビジネスシーンでの使用を考えている方に最適です。毎日の手入れが楽で、シャープな見た目が求められる場面では非常に便利です。

まとめ:自分に合った芯地を選ぶには

ドレスシャツの襟とカフスの芯地は、シャツの着心地やシルエットを大きく左右します。柔らかさや自然な風合いを求めるなら「仮接着のフラシ芯」や「フラシ芯」が向いていますが、形状保持やメンテナンスの簡便さを重視するなら「永久接着〈トップヒューズ〉」が最適です。シャツを選ぶ際には、これらの芯地の特徴を理解し、用途やシーンに合わせて選ぶことが大切です。 参考に芯地ページもご覧ください。→

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